スティーヴン・ハフ氏のコンサート
年間に何度かLAフィルでカジュアルフライデーというお気軽なコンサートがあります。初めて行ってみたのですが、チケットは通常の半額以下で、コンサートの時間も短いです。昨日の演目はブラームス交響曲3番とリストピアノ協奏曲1番でした。土曜日と日曜日の通常コンサートでは、もう一曲ストラウスがあるようです。
行く前に何がカジュアルなのかしら?お客さんの格好がカジュアルで良いの?な〜んて思っていたのですが、会場のお客さんの格好はいたって普通で、皆きちんとしていました。で、真相はなんと、オケの人たちがカジュアルな格好、つまり普段着!?でした(笑)。ピアニストのハフ氏も普通の出立です。チェックのシャツにジャケット。
ハフ氏が登場して、まずお辞儀をしてジャケットを脱ぎました。そしてジャケットをピアノの蓋を支える一番短い棒に引っ掛けて着席。会場からは笑い声。これ、ピアニストの方々が、普段よくやる光景で、まさかコンサートでやるとは!そして指揮者が構えたところで、ホフ氏うっかりとピアノの音を1音出してしまいます。構えていた指揮者は驚いた様子でホフ氏に振り向き、『おいおい、困るじゃないか!?』の仕草。ホフ氏も『ごめん、ごめん!』とご愛嬌。もう会場は大爆笑。
そして、いざ演奏が始まると、それはそれは素晴らしい演奏で、気持ちがほぐれきったお客さんの心を一気にわし掴みでした。多分、誰もがこのギャップに驚いたのではないでしょうか。演奏後はスタンディングオベーションで、短いコンサートだったにも関わらず、とても楽しく見ごたえのある内容でした。
ディズニーホールはステージの後ろにも、随分と高い所にまで客席があるのですが、そこまで満席でした。この手のコンサートで、ここまで大入りなのは驚きました。カジュアルフライデーのシリーズはコンサート前にビールが振舞われるようです。仕事帰りに渋滞を避け、ビールを飲んで、値段も安く、短めで、気軽に楽しんでもらえるコンサートのようで、こういったコンサートには、ここまでお客さんが入るもんなのですね。きっと普段クラシックを聴かないお客さんも、気軽に来れるものには、来てくださるものなのかもしれません。そしてクラシックの素晴らしさを体験していただくのが、目的なのかもしれません。
ディズニーホールという素敵な大ホールで、これを企画してくれたLAフィルの試みにより、今後もっとクラシック音楽に興味を持ってくれる人達が増えると良いな〜と思いました。
思いがけない素敵なコンサートでした。
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by raypianoviolin | 2016-04-10 14:47 | コンサート